専門家インタビュー:デジタルヘルス・サービスプロデューサーKenjiro Fujio(藤尾 健二朗)氏に聞く、グローバルな視点とその背景にある想い
藤尾健二朗さん
オムロン、スタートアップ起業等で10年以上の新規事業開発、グローバル事業開発経験。インドを皮切りに5年以上の海外勤務経験(米国・シリコンバレー等)。米国MBAで得た米国流の事業開発手法も取り入れた、ヘルスケア領域(特にデジタルヘルス)の事業開発を専門とする。日系ヘルスケアスタートアップの米国進出支援も実施。米国の医療制度に詳しく、最近ではデジタルメンタルヘルスのグローバルレポートの作成等を受託。ゲーム会社でのSE経験もあり、IT✕ヘルスケア✕グローバル展開を得意とする

インド x 遠隔医療サービスの立ち上げ
この度、「セカイズカン」の専門家としてご登録いただいている、デジタルヘルス・サービスプロデューサーの藤尾氏に、Global Nexus代表の寺尾がインタビューを実施しました。藤尾氏のこれまでの輝かしいキャリアや、困難を乗り越えてきた経験、そして「セカイズカン」を通じて日本の企業に貢献したいという熱い想いを語っていただきました。
寺尾: 藤尾さん、本日はお忙しい中ありがとうございます。「セカイズカン」の専門家としてご参画いただけること、大変心強く思っております。まず、藤尾さんのこれまでのご経歴についてお伺いできますでしょうか。
Kenjiro Fujio: こちらこそ、ありがとうございます。私は、スタートアップの立ち上げや大企業等での10年以上の新規事業開発、そしてインド、アメリカ、日本と異なる文化圏での新規事業立上げ経験を通じて、様々な挑戦と成長を経験してきました。直近では、シリコンバレーで医療機器メーカーのデジタルヘルスケア部門を統括し、新部門・オフィスの立ち上げを主導し、海外勤務は5年以上になります。インドでの事業立ち上げや米国MBAで得た米国流の事業開発手法も取り入れた、ヘルスケア領域(特にデジタルヘルス)の事業開発を専門とします。
寺尾: まさにグローバルな舞台で活躍されてきたのですね。その中で、特に印象に残っているご経験はありますか?
Kenjiro Fujio: インドでの現地財閥企業と合弁での遠隔医療サービスの立ち上げです。日本で設計・ローンチしていたサービスを元にし、現地医師等へヒアリングを行いサービスを再設計し、現地IT会社と共にシステムを構築しました。サービス設計にあたり、日本と異なる点が多々有りました。血圧計などの家庭用医療機器は家族全員で一台を共有するのが当たり前ですし、医師は肩書のため大病院に勤務しながらも、まともな収入を得るために別でクリニックを開業しています。医療保険は普及しておらず、また処方箋がなくても、薬局で十分な有効成分があるものを購入できます。加えて、渋滞も酷かったので自由診療での遠隔医療サービスへのニーズが患者からも医師からも大きかったです。そのような現地ニーズを医師・患者等にヒアリングしてサービス設計していく作業は非常に楽しかったです。もちろん楽しいことだけでなく、インドならではの商習慣で戸惑うことも多く、例えば合弁を組むパートナーと協業契約の詳細を詰めて文面が固まり、後はサインするだけとなった段階から、どさくさに紛れて契約文面を変えてきたりだとか、現地システム会社の開発納期・クオリティの管理の甘さなど、日本だと常識だと思っていたことが、そもそも前提にならない経験もたくさんしました。しかし、私のグローバルビジネスの経験もここから始まったこともあり、今でもとても印象に残っています。
また、グローバルPHR(パーソナルヘルスレコード)ヘルスケアアプリの事業立ち上げに携わった経験も大きな印象に残っています。モバイルマーケティングを担当し、世界トップクラスの医療・健康サービスとの提携を通じて、3年間で180万人のユーザーを獲得することができました。この経験を通じて、グローバル市場におけるデジタルヘルスの可能性と、それを実現するための戦略の重要性を深く理解しました。
直近では日本のデジタルヘルス・スタートアップの海外進出をサポートし、PoCの実施、GoToMarket戦略の策定を行い、グローバルで戦える日本発のサービス構築を行っています。
寺尾: なるほど、興味深いお話ですね。藤尾さんの強みは、「グローバル」「IT」「ヘルスケア」の3つの領域を掛け合わせた知見にあるとお伺いしました。それぞれの領域で培われた経験は、どのように今の活動に繋がっているのでしょうか?
Kenjiro Fujio: IT業界でのエンジニアや技術営業の経験、そしてスタートアップの立ち上げ経験を通じて、テクノロジーを活用した事業開発のノウハウを培いました。ヘルスケア領域においては、国によって異なる法規制や市場ニーズを理解し、グローバルな視点での事業展開を推進してきました。これらの経験を掛け合わせることで、他にはないユニークな視点から、企業の海外進出や新規事業開発をサポートできると自負しています。
寺尾: まさに「セカイズカン」が求める専門家像そのものです。日本の企業に対して、どのような貢献をしていきたいとお考えですか?
Kenjiro Fujio: インド、アメリカ等で私が培ってきたグローバルな経験、特に多文化展開のサポートや異文化間の橋渡しといった部分で、日本の企業のお役に立ちたいと考えています。近年注目されているデジタルヘルス領域で、革新的なサービスを創出する企業を支援したいという強い想いがあります。
寺尾: 共感いたします。最後に、「セカイズカン」の利用を検討している企業に向けてメッセージをお願いします。
Kenjiro Fujio: 海外進出や新規事業開発は、決して簡単な道のりではありません。しかし、「セカイズカン」を活用することで、経験豊富な専門家の知識や人脈を、まるで自社のリソースのように活用することができます。例えば、「セカイズカン」を利用することで、私の苦労を通じて得た各国の法規制・商習慣の知識、人脈などを即座に入手することができるのです。
これにより、時間やコストを大幅に削減しながら、より確実な海外展開を実現できるはずです。ぜひ一度、「セカイズカン」の扉を叩いてみてください。私自身も、皆さんの挑戦を全力でサポートさせていただきます。
寺尾: 藤尾さん、本日は貴重なお話ありがとうございました。「セカイズカン」を通じて、藤尾さんのような素晴らしい専門家の方々と日本の企業を繋ぎ、グローバルな舞台での活躍を支援できることを大変嬉しく思います。