セカイズカンに架けた想い
海外事業開発の専門家と彼ら・彼女らの知見・人脈を求める企業様のマッチングプラットフォーム「セカイズカン」をリリース致しました。このサービスが生まれたきっかけは某日系大手企業様のタイ進出のご支援をしていた時の葛藤がきっかけでした。私一人の時間と知見、人脈は限られている。海外事業開発に特化して専門家とその知見をネットワーク化し、企業様のニーズとマッチングすることで、より今の活動をスケール出来るのではと考えました。では何故2025年の今、セカイズカンを立ち上げたのか、以下3つの社会変化の観点からお話したいと思います。
1. 日本企業の海外進出ニーズの「必然的」な拡大
少子高齢化と国内消費市場の縮小により、多くの日本企業にとって、もはや「海外進出」をオプションではなく必須の成長戦略と捉える必要が出てくるでしょう。ニッセイ基礎研究所の推計によれば、日本の家計最終消費支出は2025年頃に約316.2兆円でピークを迎え、その後減少に転じ、2050年には約279.5兆円まで減少すると予測されています。これは約11.6%の減少に相当します。もはや「海外進出」できたらいいな、ではなく、やらねばならぬ、時代に突入していきます。しかし現地の情報不足や文化・商習慣の違い、言語の壁など、多くの企業様が海外進出の初期段階で様々な課題に直面します。また、海外に拠点を設立したり、現地社員を雇用するには、時間とコストがかかるため、特に中小企業やスタートアップにとっては大きな負担となります。一方で、越境ECや現地インフルエンサー連携、リモートオフィスなどの進出形態の多様化により、大企業だけでなく中小企業・スタートアップにもチャンスが広がっています。これに対し、既存のコンサルモデル(高額・長期契約・特定領域)では対応が難しいケースが増加しています。
このような課題を解決することこそが「セカイズカン」の存在価値だと考えております。企業様はまるで海外に自社の支店を持つかのように、必要な時に、必要なだけ、現地の最新情報や専門知識、そして貴重な人脈を活用することができます。「特定の国で物流と税務だけ相談したい」「来週のピッチで必要なだけ」といった超短期・高解像度のニーズに応えるスポットコンサルモデルは、非常に高い柔軟性と市場性があると考えています。
2. 退職世代・海外駐在経験者の知見を資産化するタイミング
2025年からは団塊ジュニアや高度成長期に海外駐在した50代後半~60代のベテラン層が徐々に企業を退職するタイミングです。彼らが持つ「インドネシアの許認可事情」「中東商社の信頼構築ノウハウ」「ブラジルの工場設立実務」などは極めて希少性の高い実務知見となります。この“眠っている知見”を副業・スポット相談形式で流動化するプラットフォームは、社会的にも意義があり、企業のDX/グローバル化にも貢献できると考えています。その上、副業解禁やパラレルキャリアの進展により、現役世代も専門性を「副業」として活かせるようになってきています。特に海外で現役で活躍する日本人の専門家の方々に多くご参画いただくことで、より生の一次情報や知見、人脈を日本語でストレスなくご提供させていただけるサービスを目指しております。
3. 地政学的リスクの分散ニーズがアジアシフトを後押し 〜アジアに強いセカイズカン
セカイズカンはグローバル市場の中でも、特にアジアに強い専門家を戦略的に集めていきます。2025年にトランプ前大統領が再登板、そしてアメリカ中心の「アメリカ・ファースト」政策が再び強化されています。特に「関税の一律10%導入」や、米中・米欧間の相互課税・FTA見直しなどが現実化した今、日本企業の北米・グローバル戦略に大きな再考が必要になります。そして中国の景気後退と地政学的緊張の高まり(台湾有事懸念など)により、チャイナプラスワン戦略も再加速していくと予想されます。その一方で、インド・ベトナム・インドネシアなどのアジア新興国の経済発展が続いており、有望な進出先として注目が集まっています。ただし、これら地域では商習慣・法律・宗教的慣習など、現地特有の複雑さが高く、「事前にリアルな失敗談・成功談を聞きたい」というニーズが顕在化してくると考えています。
どうか今後の「セカイズカン」の成長を暖かく見守っていただけますと幸いです。専門家に依頼を検討されている方は「お問い合わせフォーム」からご連絡下さい。また専門家の募集も随時行なっております。登録を希望される方は「専門家登録」からご登録ください。
